2009年08月09日

クナイ紹介1


田村装備開発です!

今回から3回にわたり、クナイの紹介をさせて頂きます。

クナイ紹介1


「SATマガジン2009/7月号のイチローさんの記事より」


★クナイはボロ屋から★

 “おい、トモ、今からボールペンを作ろうや。そのペンの名前はクナイだ。それを使ってドアを破り、必要なら壁の向こうに出られるような穴をも掘れるくらいに頑丈な忍者の道具を作るのだ・・・”
 と、日本に着いたばかりのワシは言った。
 “あ、はい、ではこちらへ・・・”
 と、トモはプロスペック ディザイン社の試作棟に案内してくれた。PDの工場といえばナカナカ洗練された三角形の白いビルディングを想像して、などはしていなかったが、そこはブリキ屋根でハッキシいってアバラ家だった。
 早朝の冷たい風がスキマから吹き込んで寒々しかった。暖房もなくストーヴもなく暗がりに寂しく光る裸電球が工作機械を照らし、それがいっそう寒さをつのらせていた。もとは資材置き場だったので水道もない。電気があるのが奇跡だった。
 “うむうむ、これでよか、優れた物はゼイタクな工場からではなく、熱い意志から生まれるものだ、このボロさはワシの理想とする環境だわい・・・”
 そんなことを考えながらワシは粗末きわまりない工場を見回していた。
 太めのプラスティック棒をトモが旋盤にかけてスイッチを入れる。その機械を旋盤などと呼んではアカイケ工作名人から「ふとどきセンバン」と言われてしまうような中古の安物で、もちろんコンピュータにつなぐなどのシカケなどには縁遠い前世紀初頭のシロモノだ。それでも電気が流れると力強く動いた。
 トモは、ワシのつたない手書きのスケッチを横に見やりながら削り始めた。丸棒に刃が当たると、みるみるうちに有機的な形状へとその姿を変えてゆく。
 無から有への変化の始まりだった。それは魅力的で感動を誘う光景だ。
 モノ作りに魅せられて模型作りに熱中した少年時代があり、それが写真と拳銃に凝るというふうに発展した流れはワシもトモも同じだった。そして今、このみすぼらしい作業場で二人してタクティカル ペンのプロトタイプを製作しようとしている。
 工場は寒かったが、ワシは心を熱くしていたので気にならず、たっぷりと豊かなゼイ肉に身体を覆われたトモは、ことさらに熱くなっていた。

    ★タクティカル ペン★
 ここ数年、ワシはタクティカル ペンに興味を感じてコレクションをしていた。しかし、すごく気に入るというモノはなく、自分なりに構想を練っていた。そういうところにシュアファイヤ社からも発売され、これはさすがにスティーヴ ライアンのディザインだと納得できた。
 そんなとき、ふとしたことからワシにタクティカル ペンのディザイン&製作の依頼がきたのだ。これは楽しい挑戦なので気を入れようと決めた。
 で、いろいろと考えたよ。
 こういったモノは、中国で作るに限る。それがダメなら台湾か韓国だ。なぜか? 製造原価が安いからだ。そのうえ日本製と同等な質が期待できる。とくに台湾には素晴らしい工場があって魅力的だ。
 だが、ワシは日本で作りたかった。中国の三倍以上という金額になることは解っていても、日本製にこだわりたかった。ギョーザやウナギとは違うんだから中国製でよいことも解っていた。が、我がヤマトの国で作って誇らしげに販売したいという小さなロマンを実現したかった。そして外国の依頼主は、それがよいと言ってくれた。
 また、安い包丁のように大量に売り出して狂気な犯罪予備軍に買われて悪用されることを考えるとチープ(安っちい)なものは作れないと考えた。もともと、ワシは職人の念を感じられるような高級感のあるナイフや銃が好みだし、それらは高価であるがゆえに犯罪に使われる可能性が少ないという傾向はアメリカも日本も同じだ。
  “さすがイチロー、なっとくなり!” と、高級志向なファンが満足してくれ、彼らが堂々とポケットに差して歩いてくれるような品格の高いペンを作りたいと想った。
 トモが削り出したプロトにはペンの芯も差し込み、かなり長いモノだったが一見すると普通のペンに見えた。それを胸ポケットに差してワシは歩いた。
 最初にそれを見せた相手は岩国のマリーンだった。そこで、ちょっとばかりデモを見てもらったら反応があった。
 “いつ買えるんだ? どこで買えるんだ?” と質問された。
 100ダラ以上はするが、それでも買う気があるのかと聞くと、もちろんだと言ってくれた。どうやら、ここが最初のお客さんらしい。


次回、続きを掲載します!

少数在庫あります!

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その他オススメ商品!

TAG Molle Padded Patrol Belt

クナイ紹介1

Molle対応ベルトというと、サイズ調整が困難であったり、端末処理に問題がある場合が多いのですが、

TAGの製品は非常に良く出来ております。

サイズ調整をトリグライズ部分で行い、シンプルながら素早く体にフィットさせる事が出来ます。

末端はパッド部分に収納して使用します。

Molleベルトはデューティーベルトよりも、装着可能なポーチ類が多く、様々なセッティングが可能です。

現在使用しているMolleベルトに不満がある方は、是非一度ごお試し下さい。きっと満足していただけると思います。

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Posted by ミスター&ミセス 田村  at 19:22 │Comments(0)装備品

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