2010年06月03日
達人の秘密8
田村装備開発です。
前回の続きです。
骨の動かし方
について書きます。
まずは、肩を自由に動かせるように、十分に伸ばして下さい。
すると、腕が長くなります。
実際に長くなる訳ではなく、
胴体に固定されていた肩が解れる事が理由です。
では、テストを行います。
1 左右どちらかの手首を、両手でしっかりと相手に持ってもらいます。
2 相手は、手首が動かないように頑張ります。
3 自分は全力で上げようとします。
すると、
上がりません。
テコの原理でどうにかしようとしても、限界があります。
相手は両手で持っているので、余程力の差が無い限り、片手の力では上がりません。
では次に、
1 左右どちらか手首を、両手で持ってもらいます。
2 相手は、手首が動かないように頑張ります。
3 緊張させていた肩の力を抜き、下方に骨をずらします。
すると、
簡単に上がります。
上げたい!!
という気持ちが強すぎると、力みの原因になります。
余計な事は考えずに、正確に動くのがコツです。
何度か練習が必要かもしれませんが、比較的簡単に出来る様になります。
これは初歩的なものですが、知らない人には驚かれます。
この様な身体の使い方をして、全力の相手と色々なトレーニングを行います。
ただし、スパーリングをする際は、目的を決めて行ってください。
勝ち負けは一切気にせず行うのが良いです。
例えば、
今回は胸部の力を使わずに、腰を捻る力だけで戦う
や
軸を重ねるとどの様な事が起きるか
や、逆に
胴体の力は使わないで対抗してみる
等、制約を加えて行う事で、色々な発見があったり、身体が開発されたりします。
勝ちたい!
という気持ちだけで行うのは、現時点で出来る事の復習としては良いのですが、
新しい能力を身に付けるという点では、条件を付けた上でのトレーニングが効果的と思います。
勝った、負けたでは無く、何を得たか。
それを日々考え、工夫していく事が能力の向上に繋がります。
という事で、鍛錬を目的とするならば
相手を前にしても不要な闘争心は持たず、自分の内面を見る努力が必要だと思います。
次回に続きます。
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2010年06月03日
達人の秘密7
田村装備開発です。
7回目になりました、『達人の秘密』コーナーですが、
このままいくと1000回位まで続いてしまいそうなので、
とりあえず、10回で締められるように纏めていこうと思います。
(ネタが切れたら再開すると思います)
では、続きです。
理屈が分かっても、出来なければ意味がありませんね。
なので、誰でも簡単に体感できる方法を書いて見ます。
1 腕を伸ばします。
2 力いっぱい腕を緊張させます。
3 力の強い人に肘を曲げてもらいます。(両手で全力を出してもらって下さい)
4 肘が曲がらないように、全力で力みます。
すると、
簡単に曲げられてしまうと思います。
次に、
1 腕を伸ばします。
2 腕が伸びている意識を持ちます。
3 力の強い人に腕を曲げてもらいます
4 相手に掴まれると抵抗したくなりますが、
リラックスした状態で腕が伸びているイメージだけを強く持ちます。
肩も力まないように気を付けます。
すると、
かなりの力の差が無い限り、曲がりません。
コレが力みの無い腕の使い方です。
曲がらない理由は、幾つか考えられますが、
一番分かり易いのは、
屈筋に力が入らないから。
です。
本来、腕を伸ばすだけなので、伸筋のみ使えば良いのに、
屈筋にも力が入っているため、力が相殺される。
事が、1つの理由です。
リラックスというのは、単なる脱力を言うのではなく、
不要なところに力を入れない
力を滞留させない
事に意味があります。
上記したテストは、技として成立するものではありませんが、
1つの目安として行うと良いかと思います。
常識的に考えると、力いっぱい頑張ったほうが強い力を出せると思いますが、
実際は、力みの無い体の方が遥かに強いエネルギーを伝える事が出来ます。
力みは自己満足でしかないと言われる先生もいらっしゃいます。
リラックスした身体はとても強い力を生みます。
しかし、始めの内はやればやるほど弱くなると思います。
私の場合、仕事場で柔道が出来たので、2年ほど色々と試していたのですが、
全く勝てませんでした。(当時は、リラックスの意味を勘違いしていました。)
力任せに技を掛ければ簡単に倒せる相手でも倒す事が出来ませんでした。
しかし現在は、私より遥かに力の強い相手にも技が掛かる様になってきました。
身体を上手く使うというのは想像以上に難しい事ですが、
ある程度鍛錬をしていると、自分でも不思議としか思えない事が出来る様になります。
1つ1つの術理だけでは技にならなくとも、点と点が線になった時、
はじめて技が掛かるのだと思います。
現在は、高齢の先生が若く体力のある弟子を簡単に制する事も理解できますし、
その奥深さに驚いています。
次回は、骨の動かし方について書こうと思います。
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2010年06月03日
達人の秘密6
田村装備開発です。
先ほど Y から、
『どうせ載せるなら、もっと良い写真無かったの?』
と苦情の電話がありました。(Yについての詳細は、前回の記事をご覧下さい)
やれやれ・・・
生意気ですね
ということで、アップの写真を載せようと思ったのですが、
流石にマズそうなので自粛しますmm
では、
ミリタリーにあまり関係無い 『達人の秘密』 コーナー。
何故か好評でしたので、もう少し続けます。
何故、力まない体の方が力を伝えやすいか?
について書きます。
一例をあげると、
相手との接触点から力を出そうとすると、
力の出所が簡単にバレてしまうため、離れた場所から力を出す。
という理があります。
つまり、腕を掴まれたからといって、腕の力で対応しようとすると抑え込まれます。
なので、別の場所から力を流します。
例えば、腰から力を出して腕に伝える術理があります。
この理は、大雑把に書くと、
腰 → 肩 → 肘 → 手首 → 指の方向
に力が流れていきます。
この力の流れを水とホースで表してみます。
腰から指までにホースが通っていると考えて下さい。
そこに水を流します。水の流れが力の流れです。
力むとホースが潰れてしまい、水が流れなくなります。
つまり、腰から流れる力が、肩が力めば肩で止まってしまいます。
そのため、腰から大きな力を出せたとしても、
肩が力めば、肩から先の力しか伝えられません。
では、力まないためには具体的にどうすれば良いか?
次回に続きます。
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