2009年11月21日
護身
田村装備開発です!
先日、
お客様 「田村さんは刃物で襲われた場合、どのように対処しますか?」
タムヤン 「逃げます!」
お客様 「私の場合、職務上逃げる事が出来ません。その場合どうすればよろしいですか?」
タムヤン 「恐れず、前に出ることが重要だと思います。何故なら・・・・・・」
というお話をしました。
逃げるのが一番ですが、逃げられない場合や職務上必要があれば戦うしかありません。
以前、刃物の対処について少し書きましたが、
今回は、『前に出ることの重要性』について書いてみます。
合気道で有名な塩田剛三先生は、
『後ろに下がると当たっちゃいます。前に出ると当たらないんですね~』
と言われていました。
初めて聞くと意味がわかりません。
武術の達人というのは、あまり細かく説明しません。
なので誤解を受けやすいのが現状ですが、とても深いことを説明しているのです。
まず最初に、格闘技と護身術の違いについて、
1 格闘技(キックボクシング等)
一番の特徴は試合形式のため反則がある事です。
危険性を抑えるために、急所への攻撃は禁止されており、多くの場合は手数を必要とします。
その為、一発受けたからと言って即死するような事はあまりありません。
よって、お互いの攻撃が届く間合いをとりやすい傾向があります。
2 護身術
特徴は、実戦を想定しているため反則がありません。
目・喉・金的・後頭部等を攻撃する事も、攻撃される事も想定して稽古します。
その為、実戦においては一撃を受ける事が致命傷となる虞があります。
よって、お互いの攻撃が即届く間合いはあまりとりません。
格闘技と護身術の良し悪し、強弱を測る事は出来ませんが、根本的に進むべき道が違います。
話を戻しますが、相手が刃物を持っている場合、手を伸ばしただけで攻撃が当る間合いは危険です。
つまり、格闘技の間合いはあまり適していません。
運動神経、反射神経が良い方は問題無いかと思いますが、私の場合はとりあえず間合いをとります。
そして、自分から相手の間合いに入ります。
すると、ほとんどの場合は、相手の間合いに入った瞬間に攻撃されます。
つまり、相手の攻撃を誘発する事ができます。(他にも意味合いがあります)
来るのがわかっている攻撃なので、タイミングも取りやすく避けるのも簡単です。
そして、一撃で制圧します。
ご存知の方には当たり前すぎる理論ですが、
ご存知で無い方は、ダンボールや怪我をしない素材で模擬刃物をつくり、下記を試してみるとご理解頂けると思います。
1 間合いをとる
2 自分から入る
3 相手が攻撃をしてくるので、払う
※ 相手の刃物に目をやらず、体全体を見ることで起こりが読みやすいです。
※ 刃物を持つと人は強くなるか?
強くなる人もいますが、弱くなる人もいます。
本来、体全体が武器になるのに、
刃物を持つことにより、それに頼りたくなります。(ナイフ格闘の初心者の場合)
従って、攻撃に制限が出来るため、避けるのが容易になります。
冒頭にも書きましたが、
逃げるのが一番です。
お金を払ってでも危機を回避する事。
どうしても逃げられない時に戦しかないのだと思います。
『正当防衛』というものがありますが、
相手が攻撃してくれば、何でもして良いという訳ではありません。
こちらが受けるであろう害を上回った場合、『過剰防衛』として罰せられます。
(カツアゲされたので殴り殺した等)
護身術というのは、一生に一度あるか無いかの危機を脱するため、
若しくは、職務上必要があって学ぶものであり、
相手を倒す事が主な目的ではなく、自己若しくは大切な人を守るために修得するものです。
では!
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