2011年08月27日
Tactical Medevac
田村装備開発です。
来月10日に行われる、
Tactical Medevac 実践的戦闘救護・救命処置 / 前段
受付を開始して2日、
既に多くの方がお申込み下さいました。(定員の約3分の1)
ありがとうございました。
今回は、予備知識として、戦闘救護について書いてみます。
通常、赤十字等で受ける講習では、
まず負傷者を発見した際は、[周囲の状況を確認した後]救命処置を行う。と習います。
例として、車に轢かれた人がいた場合、自分が轢かれてはならないからですね。
その点、コンバットメディックはどうか?
といいますと、
同じです。
仲間が撃たれた場合、
何も考えずに救助に行けば、自分も撃たれるかもしれません。
つまり、根底にあるものは同じです。
しかし、異なる点は多々あります。
では、
戦闘中と平時では何が異なるのでしょうか?
第一に、
敵がいるという事です。
であれば、
速度が必要です。
例えば、呼吸をはかるのに1分かけるか?
というと、そんな悠長な事はしません。
10秒間で1回未満、5回以上であれば異常とみなすべきです。
再起不能(助からない)とみなせば、言い方は悪いかもしれませんが、
見捨てる事
も必要かもしれません。
しかし、
その判断を誤れば、
生きられる可能性のある仲間を見捨てる事になります。
よって、精度が必要となります。
つまり、
1 精度を保ちつつ
2 迅速に行動
3 敵の攻撃に備える事
が必要となります。
精度を保ちつつ、迅速に行動。
は平時でも言える事ですが、その処置する上での判断基準は異なります。
例えば、
腕を骨折した場合
まともな部隊であれば、
相当な余裕が無い限り、わざわざ助けには来てはくれませんし、治療さえしてくれません。
何故かと言うと、
痛いだけ
だからです。
動けるのなら、自分の足で安全地帯まで逃げろ。
という事です。
何を言いたいかと言いますと、
平時の救命としては、
大量の負傷者がおり、救命士等の数が間に合わない場合を除き
小さな怪我 ~ まず助からない重症
まで、幅広く対応してくれます。
コンバットメディックは、その基準が違います。
部隊の置かれた状況や、チームリーダーの意思により異なりますが、
小さな怪我 → 無視(自分でどうにかする)
重症であり、自救不能、処置すれば助かる状態 → 救助
助からない状態 → 無視(救助する必要が無い)
が最も生起しやすいと思います。(本来は4段階で表しますが、今回は簡単に3段階で示しました)
とは言え、救命行為自体は戦闘時に関わらず、日常生活にも役立ちます。
一例として、
暑い国に派遣されたとします。
警戒中、怪我もしていない人が突然倒れた。
呼吸が速い・・・Ph(ペーハー)が酸性に傾いている。(7未満)
脈が速い、体温が高い。
明らかに熱中症ですね。
さっさと冷やさないといけません。
なので、太い血管が通る所を冷やします。
で、視床下部が熱を持ちすぎると、体温調整が著しく低下するのでオデコも冷やします。
かといって、全身に冷水をかけたり、氷風呂に入れたりすると、
冷えすぎて振戦(震え)がおきます。
それはよろしく無いので、マッサージしたりします。
他の例としては、爆撃を受けて腕が吹っ飛んだ兵士がいたとします。
又は、車に轢かれて足首が千切れた負傷者がいたとします。
まず何をしますか?
等々、
9月10日の訓練は、
そんな内容を詳しく行いますので、日常生活にも役立ちます。
定期的に行える訓練ではありませんので、ご興味のある方はこの機会に是非ご参加下さい。
お申込みはこちらから。
田村装備開発(株)
http://tamurasoubi.co.jp